vol.18 子どもの「わからない!」を検証します

 

高校受験コンサルのお客様と直接お会いし、話す機会が多くなってきました。

お子様にフィットする高校選びを、お子様の性格や興味を持っていること、さらにはご家庭の方針を踏まえてご提案という形でお手伝いします。

 

もちろん、私の仕事は高校選びだけではありません。

学校のテストや模試についてのご相談もとても多いです。

 

ウチの子は勉強しているとは思うけど、なかなかテストの点数が上がらない。

子どもを問いつめると、「だってわからないんだもん!」と言われてしまう。

具体的にどんな勉強をすれば、すぐに成績はあがるのか?

 

こういったご相談をお父様お母様からいただきます。

お子様の「わからないんだもん!」という発言は、親の心にはズッシリ重くのしかかります。「全部わからない!」なんて言われたら、それこそ気絶しそうになります。もし小学生の頃から、塾に何年も通わせているのにそんなことを言われたら…冷静でいられないですよね。

 

 

では、お子様が口にする「わからない!」の背景に何があるのでしょうか?

①本当に授業がわからない

②勉強したくないから、わからない!と言って勉強を放棄したい

③何がわからないかもわからないから、助けてほしい

④お父様お母様に放っておいてほしい

 

お子様の心の中には、この4つのいずれかがあるのだと思います。

特に②が大切です。普通は「わからないから、勉強したくない!」という原因論で見てしまいがちです。それをちょっと目的論の視点で見てみるとこうなります。

「勉強したくないという感情があるから、理解しようとしない。その結果、わからないという状態になってしまう」となります。

 

目的論でとらえると、この「わからない」の対処法が見えてきます。

なぜ勉強したくないのか?それは普段習っている先生の授業が本当にわかりづらいかもしれませんが、たいていの場合は「自分は何がわかっていないのか?」という情報が不足している時にそういう感情になります。

 

人間の脳はシンプルさを求める傾向があります。どんなことでもA=Bでしょ?と結論づけることで、安心しておきたいわけです。ですから、複雑な事柄やちょっと考えても理解できないと判断すると、「もうムリ!」と受けつけなくなります。それが「わからない!」という発言を生むわけです。あくまで菊地論ですが。

 

では、こういった状況にお子様があるとしたら、何から手をつければ良いのでしょうか?

それは「テストの答案用紙」です。お子様の答案用紙からは、色々なことがわかります。私にとってテストの答案用紙は、お子様の学力だけでなく性格まで教えてくれる魔法のツールです。

その問題にまったく手をつけられなかったのか?

途中までは理解できていたのか?

計算ミスや単語のスペルミスが原因で、本質は理解しているのか?

こういった「お子様からのメッセージ」がテストの答案用紙には隠れています。それを1つ1つ丁寧に見ていくことで、お子様がいったい何につまずいているのか?にたどりつくわけです。

 

 

テストの点数が何点であったとしても、それはすでに過去のことです。

80点なら良くて40点なら悪いとか、ついつい私たち大人は良し悪しの価値判断のみで済ませてしまいがちです。そうなってしまうと、お子様も点数にしか興味がなくなってしまいます。テストが終わったら、自分の答案用紙に見向きもしなくなる原因もそこにあります。

 

しかし受験のプロから言わせると、点数が何点だったか?にはまったく興味がありません。むしろ、本当は正解できたはずの問題がどれだけあったか?に興味があります。

 

お子様の答案用紙を検証することで、『本当は正解できた問題=お子様の伸びしろ』を発見する。その伸びしろをどのような方法で形にしていくか?を多角的に考え、何から始めれば良いかを具体的に決定する。こういったステップを踏むとお子様の「わからない」原因がハッキリしてきます。そうなれば、勉強に対するお子様の主体性を伸ばしやすくなるわけです。

 

単純にまちがえた問題をやり直しさせ、大人が一方的に解き方をレクチャーする。

それで根本から理解できる子どもが、いったいどれだけいるでしょうか?

 

お子様を伸ばす導き方は教えこんだり、ひたすら解かせることではありません。

いかに「お子様自身に気づかせるか?」です。

私は日々そう考えています。